ソウルスケール顛末記/昼子声子
 
命の重さを量る機械を発明した科学者は
池袋毒キノコ事件で有名な例のカルト団体の信者によって拉致され
19日後に青森県の山奥で遺体で発見された
遺体には鋭利な突起物で刺された痕が合計69箇所あり
両手両足の指は全て第1関節から先が切り落とされていた
その科学者の死後数年経って
彼が発明した命の重さを量る機械はソウルスケールという商品名で
株式会社大東亜秤製作所から発売され爆発的なヒット商品となった
それから25年後すべての日本国民は60歳の誕生日に居住地の役所に出向き
ソウルスケールで命の重さを量ることが義務付けられた
基準値は非公開だが満60歳時点での命の重さが一定の値に満たな
[次のページ]
戻る   Point(3)