不眠症の生命体/炭本 樹宏
寝られない夜には言葉の雨に打たれたくなる
明日への切符を買いたくて
深夜の裏道から表通りの
コンビニに缶コーヒーを買いに行く
不眠の苦痛は自分と向きあうせる
あなたは僕をどう思いますか
自分では鏡のない部屋で自分が分からなくなります
ありきたりの文句ばかり頭に浮かぶけど
不調な文字の羅列になってしまう
独りごとを聞いてくれるだけで満足
誰かがこの詩を読んでくれる
ただそれだけが
明日への希望
明日は晴れるそうです
その頃僕は世間から遊離され
眠りについていることでしょう
時代の波は否応無しに
僕にも降りか
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