地形図に隠された地図/殿岡秀秋
 
た地図の場所があるのではないか。

貼りあわせた地図の繋ぎ目にゼリーのような塊ができている。そこへ行くと。ゼリーの固まりの中は柱があってしっかりした建造物になっている。

それは地下鉄の入口のようなところだった。ぼくの身長はいつのまにか、そのゼリーの高さにまで縮んでいた。入口から長いエスカレーターが動いている。ぼくはそれに乗る。これは地図の空白から別の地図の空白にわたっていくものだとぼくは感じた。下るというよりも地図の下を平らに移動していく感じだ。

エスカレーターが止まる。下りると乗り換え地点らしく、別のエスカレーターが日を受けて照り返す小川のように遠くまで輝いて流れている。それに乗
[次のページ]
戻る   Point(1)