10月11日は過ぎてゆく/蒼木りん
 



クリオネの心臓は
ピクピクもしないで
白く陰が
写るだけで

子宮口を開く痛みは
クリオネとの別れを飲まざるを得ない

わたしの
弱さゆえの拉がれ


残念なことに
まったく理解できない人間がいる

病室に
黄色い花の鉢植えを持ってきた人だ

目に映る現象は白か黒で
自分の立場を気にする

今もその人といる
寝るときは別


そんな事ではないのだ


わたしのところへ来た鉢植えは
みんな枯れてしまう

戻る   Point(9)