ひとでなし/石川和広
 
とりかえしの
つかないことを
してしまった
そのひとの顔がみえないところで
おそろしい場所で
またひとつ
大切なものを
ふみにじってしまった

ぼくは
ぬけぬけといきのびるだろう

ぼくが
ふみにじったものを
置いて

そうするしかできない
あやまったらおかしい
ぼくは反省ができない
そうして
詩をかく
ひとでなしだ

そのひとの声がきこえるようだ
いつもぼくはまちがった言葉をはきつづける

おんなに

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