この星の片隅で/炭本 樹宏
 

 僕は季節の花を知らない
 風に乗って飛んでくる 
 その日その日の荒波の日常
 生きていくのに四苦八苦

 でも死に憧れるほどでもない
 それほど深刻でもない
 共有する時間だけが僕の生きがい
  
 楽になりたい 楽になりたい
 心の未熟さが悲鳴をあげる
 いくら言葉にしても救いはないのは分かっている
 それでも誰かに聞いてもらいたくて
 言葉の羅列にすがりつく
 
 希望の詩は今の僕には嘘になる
 だからと言って
 絶望の詩は書きたくないのだが

 分裂する僕
 膝を抱えて明日を待つ
 恋人の励ましの言葉に
 わずかな救いを求め
 夜に一人目を光らせる

 あぁ袋小路に迷いこんだ 
 明日への階段見つけて
 陽だまりでゆっくり
 この星の片隅で生きていきたい





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