赤頭巾ちゃんの訪問。そして、黒頭巾ちゃんとおおかみの電話/チアーヌ
い、あんなおおかみのことなんかで、あまり悩んだりしないで」
赤頭巾ちゃんが、しゅんとしたまま、でも、来たときよりは顔を上げて、玄関を出て行ったので、黒頭巾ちゃんはほっとしました。
そしてしばらくすると、黒頭巾ちゃんの携帯電話が鳴りました。
「あ、俺。しばらくだね」
「ほんとね」
「あのさー、赤頭巾ちゃんのことなんだけどさ」
「来たわよ、さっき」
「え、そりゃずいぶん早いなあ」
「あんたね、いいかげんにしなさいよ。女だったら誰でもいいくせに、ああいう純粋な子まで傷つけて」
「たまには俺だって清らかな子と付き合ってみたかったんだよ」
「まぁ、別にわたしには関係ないからいいけど」
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