彼女は青いヌードだった/けんご
 

めくるめく展開する青
それは淡い水彩画で描かれた
青いヌードだった

彼女のくれた画集の傍らで
煙草くゆらす僕
灰色が包み込んでいく涼し気な青の女体

けして君を汚したりはしない
僕はまた一服しながら
新しい頁をめくる



僕は君に何の悪いこともしていないつもりなのに
すまなく感じるのは何故だろう
僕の哀しみは
都会の月となって君の街に昇る

青い君をささやかに照らすよ

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