水墨姿/A道化
 


まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は 
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
あらゆる形状は 悲しかった


思わせ振りに
組子 ぼけ
区画 儚く
それでいて 
全ては 正確な単独である
という事実に
全て 覆われて いて


まばゆさの
明かり障子 前にして
私 一筆ずつ 輪郭を濯ぎ 
溶けることを望み 努め
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
私の形状は 悲しかった


2004.1.3.
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