ここじゃなくてあなたのところ/初代ドリンク嬢
つけっぱなしのテレビから
何の音もしなくなって
それでも
こうして眠らずにいる
何かが
始まるかもしれない
もっと
違うように
もっと
力強く
もっと
優しく
もっと
分かってもらえるように
もっと
こう
もっと
まだ
多分
一生
伝えられずに終わるような気がする
この
この
私の
これ
いつも
ここにいる理由を知った
ここじゃない世界に
行ってみたいと願う
それは
どんな世界なのだろう?
そこはどんななのだろう?
そこでは
何が見えるのだろう?
何が聞こえるのだろう?
何を話すのだろう?
自覚しても
わかるはずはない
でも
辛い毎日ではない
ただ
そこへ
行ってみたい
心から
そこにはそこの
苦しみがある
辛さがある
感じたことのない
苦しみ
喜び
嘆き
それすらも
知らないことを
知った
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