モード/あおば
携帯電話機が振るえている
携帯の裏にはラジオが住んで
テレビを又貸している
テレビ局の小父さんは
金貸しを副業にして
海老や蟹を釣るんだ
来たから釣られたんだと
海老と蟹は信じてる
冬の旅は辛いと
ショートケーキを頬張る
焼きたての餃子は
不自由な手を広げ
盗人宿を経営する
形態が振るえて
振動のかたちが無くなる
大きな力が押し寄せて
古い地層を押し広げ
鳥の声が聞こえたと
泣くのは餓鬼だよ
金持ちの紳士たちが
帽子を新調するだけで
マシンが麻疹状になり
ベットで寝ているのを
金属バットで殴りつける
プロ野球の管理人は
有給休暇を申請して
ドーナツ屋を占拠する
甘くて丸い穴の中には
新高山登れの暗号が
青大将を唆して
トンツーと鳴らす
モールス信号を聞き漏らし
どっと疲れた大衆が
トンネル効果を生んで
隣の国を侵すんだと
歌うように
携帯電話は
振動姿態(モード)を
えらぶんだ
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