光と影の世界で/
 
太陽の眩しさに怯えて
迷い込んだ森の中で
洞窟を見つけた
奥深く湿った 黒の空間

中には誰もいるはずもない
暗闇でひとり
それでも
逃げ込まずにはいられなかった
静けさが欲しかった


奥へ奥へと歩いた
どこまでも続いている
先が見えずに 立ち止まる 
振り返るとまだかろうじて
見えている入り口
漏れている光 
何となく ここでいいと思った
荷物を降ろして 眠った


7回入り口が消えてまた現れた
まだ同じ場所で過ごしていた
ここは居心地が良かった

暗闇でひとり
歌を歌う
残された記憶を
歌う

そして思う
今までどれだけの人が
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