散弾/吉岡孝次
 
野鳥を屠ったにしては
摘み食いに飽いた息子たちの指先にも軽く
徴たる銃声は林へと 轟くことなく

赤い殻の尻に
つややかな萼を被せて
女工を娶り同僚とはレートを調整して賭に臨むバイク乗り、を継ぐ者を

虚しきを狩る秋の賓客にして
戻る   Point(0)