誤訳/ZUZU
 
あなたの燃える手で
わたしをだきしめて

それはとんでもない
誤訳だったらしい

でもわたしはこころをうたれた
たとえひとごろしのうたでも
たとえぬすびとのうたでも
たとえうらぎりもののうたでも
かまいやしない

ものしりがおで
ほんとうの意味はね、なんていうひとの顔が
いまはうつくしくは見えないのだから

わたしは燃える手で
あなたをだきしめたいとおもった

世界はそんなふうに
いつも
誤訳されるべきなのかもしれなかった
ただ空のあおさをのぞいて


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