Ω色の揺らめき/がんさん
ふとしたことで慰めあったり。
そんな、
つまりもしない日常の温度差が、
オレには、
かけがえのない「現われ」に想える。
それでもなお
こう言わなければならない。
「現われ」というマジックに
隠されたコアを
見失ってはならないのだと。
それは、悠久の時空を経て
創造主がオレたちに託した種子。
メタモルフォーゼする
すべての命を飲み込んだ源。
コケティッシュに踊る瞳や、
もの問いたげに震える指先や、
躊躇いがちに綻ぶ口元や、
そんなおまえという「現われ」が
零れ出す奥に、
おまえだけのコアが、
ひっそりと、
けれども確かな足付きで
佇むのが見える。
戻る 編 削 Point(0)