在りか/こしごえ
時は無常にも過ぎてゆきますゆえ
おおきな流れを知って
現在地の私を知らなくてはなりません
息を静かにして
痛みの在りか
涙の在りか
かなしみの在りか
在りか
ひとときの微笑
つたない恋
しあわせの在りか
在りか
散歩しながら黙想する宇宙
私は宇宙のことさえ知らずにおります
それにしたって
重低音で流れる世界もある
紅く紅くどこまでも あざやか
知らずにはいられない
本能いえ理性いえ
かすみ浮かぶ自同律
連れ去られた絶望の翼に
私の居場所はないのです
在りか
戻る 編 削 Point(10)