在りか/こしごえ
 
時は無常にも過ぎてゆきますゆえ
おおきな流れを知って
現在地の私を知らなくてはなりません

息を静かにして
痛みの在りか
涙の在りか
かなしみの在りか
在りか
ひとときの微笑
つたない恋
しあわせの在りか
在りか
散歩しながら黙想する宇宙
私は宇宙のことさえ知らずにおります

それにしたって
重低音で流れる世界もある
紅く紅くどこまでも あざやか
知らずにはいられない
本能いえ理性いえ
かすみ浮かぶ自同律

連れ去られた絶望の翼に
私の居場所はないのです
在りか

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