火事の日の手記1/炭本 樹宏
、朝食に何を食べたか、などを訊かれた。
それが終わって、家の前に行くと父にあった。張り詰めた顔をしていた。家の前には警官、消防隊員らが2、30人はいただろうか。
その中にTさんのお父さんとお母さんが表でたたずんでいた。妹は取り乱していて、僕の首根っこをつかんで、「あんた、なにしてんねん!土下座して謝り!死んでわびっ!」とかかってくる。近所のおばさんが妹をなだめてくれた。
妹と口論している場合じゃない。とにかく、状況をつかまなければ。その時は、まだ、自分の過失かどうか、わからなかったし、タバコでか?という感じだった。
分からないまま、Tさんに謝った。そして、視界にはいる全ての人に謝った。
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