らむね/アンテ
 
いりぐちから
だれかがかってにはいってくる
まどのそとをながめたり
つくえのひきだしやおしいれをあけて
なかみをかきまわしたりする
ほしいものがあると
ぽけっとにいれて
きにいらないものがあると
こわして
することがなくなると
でぐちからでていく
つくえもとびらも
なんにもかんじない
まどもおしいれも
なんにもかんじない
へやは
のっくくらい
すればいいのに
っておもう

からだをゆらすと
きれいなおとがする
からころん
ひとりっきりになるとうれしい
しずかなあさ
かわらにでかけて
そっと
からだをゆらしてみる
むねのおくで
ちいさなおとが
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