ノート(42Y.9・25)/
木立 悟
窓を閉め忘れ
緑のにおいに
眠れずにいる
空腹の夜
ひとかけらずつ
崩れる街を登りつづけ
眠れずにいる
空腹の夜
触れることさえないままに
気づいたときには落ちていた
眠れずにいる
空腹の夜
歯形のついた月の光
乱れた褥(しとね)の草笛に
眠れずにいる
空腹の夜
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