命とは・・・/がんさん
骨壷の中で、シャリ、シャリと微かに呟く声がする。
ねぇ、おまえ。
人間なんざぁ、死んじまえばこれっぱかりのカルシウムの塊よ。
どれほど、世界を股にかけた男だろうと、
恋の奈落に身を沈めた女だろうと、
死んじまえば、
たった三十センチ四方にも満たないこんな骨壷の中で、
シャリ、シャリと身を食む骨屑になる。
オレにだって、若い頃はあった。
溶岩のように粘っこく煮えたぎる血潮をそっと、
夜明けに慰める日もあったんだ。
まるで夢を食らう獣の如く、
毎日は、闇雲で、
毎日が、あてどもなかった。
オレ
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