現代詩フォーラム短歌部第二回いちごつみ歌会/ピッピ
 

濃い口の醤油をどんどん注ぎ込み銭湯の湯がダシ風呂と化す(銭湯) 清水一希

美意識にくわえる指とその祖母の石をくわえる花、言葉は「口」(口) 関根悠介

だれひとり目覚めなかったそのときに石がやさしくぼくを迎えて(石) こもん

キャンバスにやさしく立てた姉の爪ただ吾だけが美だと言い張る(やさしく) 守り手

美しい爪をはがしてならべたらうつくしい心もはがれてゆきます(爪) 汐見ハル

あたたかい心臓である この河の下流をいまだ見たことがない(心) ピッピ

缶ビール歯型をつけて啜り飲む過去の下流の家夢見つつ(下流) りっと(里都 潤弥)

毛の禿げた痩せこけたりし野良犬に缶ビールなど投げつけてみたし(缶ビール) 山田せばすちゃん

野良犬は今日も野を越え山越えてたどり着くのかガンダーラの地(野良犬) 清水一希

たどり着く 春山越えて 海逃し 里のひとには 想い人あり(たどり着く) 山内緋呂子

(☆印は参加者互選による秀歌)
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