平熱の朝/はな 
 

ももいろのくちびるで つづきそうな僕の文句を塞いだ}


育ってゆくベランダのみどりは
くすぐったいように
春を揺り起こしては
ときおりとおる冷たさを 押し隠す



僕はひとつになりたくて
いつもあなたを
抱きしめるたびころしてしまう
そうして熱を帯びながら
声もださないあなたの
声を最後にきいたのは
もう おもいだせないほどむかしのことで
せめてねむっているうちに
あなたのひたいを何度もぬぐって
あなたをてばなしてゆく






あなたの呼吸がらくになったら
僕ももう一度


胸いっぱいの
しんこきゅう を


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