平熱の朝/はな
と
ももいろのくちびるで つづきそうな僕の文句を塞いだ}
育ってゆくベランダのみどりは
くすぐったいように
春を揺り起こしては
ときおりとおる冷たさを 押し隠す
僕はひとつになりたくて
いつもあなたを
抱きしめるたびころしてしまう
そうして熱を帯びながら
声もださないあなたの
声を最後にきいたのは
もう おもいだせないほどむかしのことで
せめてねむっているうちに
あなたのひたいを何度もぬぐって
あなたをてばなしてゆく
あなたの呼吸がらくになったら
僕ももう一度
胸いっぱいの
しんこきゅう を
戻る 編 削 Point(18)