寓話 不可解な死 42/クリ
これほど手掛りがまったくない事件も珍しい
1 殺人である事は明白だ。白昼堂々なのに だ
ただ 誰も現場を目撃していないと主張し かつ
自分は 犯人ではないと言い張る。ああ 迷宮か
どこかに 必ず手がかりがあるはずだ かならず
整理しよう 居合わせた人物は五人 彼らの証言
手掛りその2 被害者はナイフで 一突きだった
そして手掛り3 被害者の手に 微量の蛍光塗料
塗料は黄色く光る ある種の 懐中時計のそれだ
さらに死体のそばに 赤い パンティーがあった
なんだか変だぞこれは 証拠は残されているぞ
もう一度聞きますよ ああ まずはXさんからだ
あなたはそのとき つまりは 殺
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