青の山の麓の家で/こしごえ
 
ぷぷちゃんのつぶらな瞳が
踊るように歩く
青の裾野を
静けさを流しながら
口笛を吹きながら
踊るように歩く

いがらっぽい重みに耐え忍び
針と糸で生活を縫う


この家は。

私は最期まで
来た道を振り返らず
谺(こだま)する今の風をまとい
御仕舞にしよう、と
底にいても
高く昇る

この家は青く縁取られている

ぷぷちゃんのつぶらな瞳が
踊るように歩くから
涙すら未だ流せないでいる

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