アメ/アンテ
 

タイセツなヒト
が死んでしまった
ケムリはまっすぐに
ソラにのぼっていった
タイセツなヒトを想うたび
頭のなかで
スイッチが入った
かち
音がして
タイセツなヒトで
キモチがいっぱいになった
タイセツなヒトにつながる
モノだけが
すべてだった
そんなふうに
切り離してしまうと
楽になれた

丘のうえで
ゆっくりと回りつづける
観覧車
右手でぜんまいを巻いて
左手で切符をさしだす
人恋しい
というのだそうだ
ゴンドラはゆっくりと上がっていく
地上が遠ざかっていく
窓から見える街は
とても遠い
手を伸ばしても
届かない

アメのひは
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