この花はいつどこで咲く/
 
それは雪で作られた花だった
夏の日差しの中
何故こんなものが存在するのか
それは美しく不可思議だった

その姿に見惚れるでもなく
ただ 無表情に じっと見つめ続けた
溶け出し嘘をさらす瞬間を待った


それは物陰の枯れた花だった 
受け止めるように
静かに萎れた身を横たえていた
それは醜く自然だった

その姿にちらりと目をやり
すぐに大通りへと歩き始めた
過去となったものに興味などなかった


それはいつまでもつぼみの花だった
咲き方がわからぬまま
根を伸ばすことさえためらっていた
それが
他を否定することでしか自らを肯定できない
私の姿だった

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