失策レジスタンス/kw
石灰撒かれた道路の横脇に
死したサンゴ礁のビルが立ち並ぶ
昨日までは
窓枠にガラスが嵌められ
全てに明かりが灯っていたのに
今や
粉々に砕かれた透明な破片
玉をくり抜いた眼窩の奥
つむじから足指まで覆い隠す
黒い布
ブルカかローブか
巡礼の女
微風に波を描き舞う衣装
進路を阻む塞ぐ車はない
操縦士は絶えたから
一点に目指す
赤い夕陽
滅びた街に
鎮魂歌が流れる
無意識の空歌
それとも
空気に焼きつかれた遺影の
ポルターガイスト現象
風強く
裾舞い上がり
腰に括り付けられた爆弾が露になる
スカスカの焼骨転がる
街は完全に破壊尽くされていない
入れ替わる陽と月
女
月に向かって爆弾投擲し
泣いた
命は人間のものだけでないと知る
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