或る道化師の一日/
唯浮
彼の人の 通いし道を 歩く時
前後左右に 研ぎ澄まし五感
六感を 頼りに来ては 天秤に
かけては揺らす 期待と諦め
茶柱が 幾本立てども 会えぬ日は
粉茶をすすり 鼻をすする
薬指 見つめる先に 夢を見て
まどろむ夜の 一人の寂しさ
ぬばたまの 眠れぬ夜に 五七五
七七詠ひて 慰む我が恋
忘却を 誓ひて一人 眠る夜の
夢に君出で 忘れ去る忘却
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