穏やかな微笑みを/緑茶塵
彼女が笑った 小さく笑った
いつか見た微笑みより ずっと小さくて魅力のない笑顔だった
でも 確かに笑ったのだ
小さく笑ったのだ
その微笑みが好きだったし 好きだという事は 今でも変わらないかもしれない
明日になればきっとまた僕を振り回すのだろう
輝くような笑顔も楽しかった事も どっかに行ってしまう
もういいやと思った
だからこの笑顔を忘れないと思う
振り返ってもどうせつまらないだけ ありがとうとか思えるなら それも格好いいと思う
だから忘れないと思う
輝くような綺麗な思いでより
もういいやと思ったこの瞬間の ふとした時の
思い出の中の とても穏やかな微笑みを
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