花時計/るるりら
 
【花時計】

ある一時 

植物のように生きることを夢想する。宮沢賢治は雨ニモ負ケズといったけれど、植物は雨に負け夏の暑さにも負け 
害虫にやられて レタスは高騰するのを見ながら。

ある二時

植物のように生きることを夢想する。東京で3時間の睡眠時間で過労で ぶったおれそうな日、ビル風にあおられながら
も種子を飛ばすタンポポを踏みつけながら

ある三時
植物のように生きることを夢想する。花屋の店先の店員にさしだした ちいさな小鉢
植わっている植物は三時草という多肉植物の開花。「こんな花しらないでしょ。三時のおやつをしらせてくれる花よ。
三時にしか
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