あたしパペポちゃん/人間
 
いるのだけど、
特に青森県のものは”久渡寺型オシラサマ”と呼ばれ
別格扱いされているらしい。

境内近辺は静かで、
お年寄りたちが粘っこい津軽弁と共にお茶なんかを飲みながら談笑していて、
雰囲気という雰囲気は沈殿している。

小さい頃から、
親に連れられて、あるいは友達と、あるいは一人で、
地蔵が階段状に無数に並んでいる場所を不思議に静謐(せいひつ)な気持ちで歩いたり、
神社の下のアリジゴクに蟻を落として観察したり、
山菜や木の実やアケビなんかを齧ったり。
していた。

紆余曲折する道が山のあちこちを切り裂いていて、
林の向こうから住んだ空気が外界へと結ばれて
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