誰かの風の跡/てんだい
 
遠くで風車が回っていた、

風を全身に浴び、とても美しく生き生きと回っていた。

私は、「どうして、そんなに美しく生き生きとしているのですか?」と、尋ねると、

風車は、照れ臭そうに一瞬キラリと微笑み、答えた。

「風が、風が気持ちいいから」
戻る   Point(1)