当たり前に死んでいくだろう/カンチェルスキス
 
間たちのことだけだった



 延々と続くなだらかな国道の行く末に狂い始めて
 似たような顔たちが側溝の狭間で呼吸停止していく
 無の連なり束ねて生命する 無の連なり束ねて生命する
 無の連なり束ねて生命する!



 後部座席焼き払われ方向感覚を失った無軌道の車たちが
 道の先 女性の陰部のように蠢く幻影に 
 何もかも吸い込まれていく死の葬列だ



 炎天下の国道で生まれた俺は本能的に四つ足で生きる
 燃える街路樹の炎が燃える
 凝視の黒点 照らされる全生涯
 






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