すすきの丘/
さこ
すすきの檻の中で
僕らはこの世界に全く無関係に
声を上げたり遊んだりしていました
地平線を縁取る山々の木々が萌え
白く雲は何処までも白く留まることがなく
道はなく
それでも帰ることを知っていました
何故なら波のように満ちるものは引くように
欠けた月は何時の間にか丸く輪を描くように
全ては潤滑に流れ、滞ることはないもので
今日限りなんてことさえ思いつきもしなかったのです
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