『サクラサエ』/川村 透
世界は一滴ずつ変わってゆく。
--甘い雨の
甘い糖衣、クスリを齧りながら深夜に
問いかける
かわいたコトバの息苦しさ
まちがっていたのは、きっと僕の方だ
ハイイロの香りよ、香ばしい二人の箸で
カナリヤの粒子よ、君のカケラ
サクラ
サクラ
サクラ、サク。
--甘い夏の
甘・NUTS、果実を皮ごと貪りながら雨に
汚される
ぬれたシャツのみずみずしさ
まちがっていたのは、きっと君の方だ
ハイイロの香りよ、香ばしい二人の箸で
カナリヤの粒子よ、君のカケラ
サクラ
サクラ
サクラ、サケ。
--甘い息の
甘やかな匂
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