とべ/みもる
 
茶碗についた
食べ残された米粒のように
一人になって

通り雨が残していった
淡い湿気にたたずむカエルになる


きっと
この悩みが晴れようと晴れまいと
君が居ようと居まいと

何も変わらないんだろう


いつでも求められるのは
とぶか
とばないか さ


欲しいと思ったものは
手を伸ばせば届く
数センチ先にある

無神経に走り回る
文明開化の鉄箱を
軽いフットワークでなぎ払え

無意味に早足の
現代病の巨人どもの
足元をすり抜けろ


その先にある
輝くハエを
捕らえるためだけに

とべ

忍び寄る影も
やっぱり必要不可欠な君も

めんどうだから
全部一斉に背負っちゃって

とべ
戻る   Point(5)