少しだけ詩を書いた夜/虹村 凌
高校生だった僕は
泣いて
泣いて
チンピラに憧れて
チンピラになりたくて
夜の街を歩いていたのです
高校生だった僕は
お金も無くて
遠くに行けずに
ただ地元の真っ暗な商店街を
あても無く歩いていたのです
100円ライターとタバコと
虎の子の120円を持って外に出ると
夜の風は知らん顔をして吹きぬけて行くのです
それでも僕は
チンピラに憧れて
泣いて
泣いて
夜の暗い商店街を歩いていたのです
毎朝使う駅は既に眠っていて
その前に頭を抱えてしゃがみこむ制服の男子学生が一人
酔いどれ天使のギター弾きが二人いて
僕は少し離れて座り込んだ
甘いコ
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