くりごと/
落合朱美
一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや
君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に 花の咲くらむ
我れを召されよ 狂ほしきほど
白き花弁を 血に染め流し
君が御色に 変化(へんげ)せむ
夜の明けぬればいたづらなり
一人寝(ぬ)る身の置き所なし
君の残り香消えぬ間に
ふたたび逢ひしこともがな
君があだし心根は
恋とは如何におぼしきや
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