夜道/たかぼ
 
君は郊外の一本道に車を走らせて
いる 星も見えない真っ暗な夜 
ヘッドライトに照らし出されたア
スファルトはなめし革のように滑
らかだ 道の両側には鬱蒼と茂っ
た灌木から我先に逃げ出すかのよ
うに細い枝が伸びている すれ違
う車はなく バックミラーに後続
の灯りもない 右足をアクセルに
乗せたままハンドルを握った手を
ほとんど動かすこともなくぼんや
りと前方を見つめている スピー
ドメーターは40キロ辺りを指し
ている アスファルトの模様も行
き過ぎる林の景色も変化に乏しい


こうしてほとんど同じ速度で走ら
せていると 止まっているような
錯覚に陥る それは
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