昔雨/蒼木りん
 
どぉー 
と真っ直ぐに降る雨は
あまり見なくなった

雨じたい
いまは
よく見ることもない暮らしぶりなので
乾燥している

どうやら
気づいてもないけれど
他の人も
そういうものに留まらないようだ

ときに
話し好きな人は
話し上手と限らず
やっかいで

こんな日には
だれも来ない
そのほうがいい
どうせ
いつも拗れた話ばかり

どぉー 
という雨は
未明から降り続いて弱まらず
黒格子の障子を湿らす

水浸しで
外の便所にもいけず
病気のときに使うトタンの
四角い器にやる

やったら
外に捨てる
雨だかなんだか
わからない
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