香水不全  日々の垂れ流し20050905/A道化
 


 生まれてはじめてお付き合いをした男性が結婚したことを知った。当時は男性というよりも男の子だった。愛読書だと言い、『風の歌を聴け』を私にくれた。そうして自分の為に新しい本を買っていた。今も愛聴しているBjorkを好きになったのも、これええと思わん?と彼が差し出したMDウォークマンのイヤーフォンが切っ掛けだった。難波CITYの南館で、夜だった。壁にもたれて2人で聴いていた。
 その彼からはいつも同じ香りがした。そういえば私に、香水には興味ないん?と尋ねたことが数回あった。私は、あんまり、だとか、鼻よくないし、だとか適当な返事をしていた。実際、そんなに興味がなかった。また、そういえば、昔DU
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