鳥媒禍/吉岡孝次
 
1.
日輪を遮らず 烏は
二本の足を地につける
羽根は
格納音もなく 胴に
寄り添う甲殻

2.
「暑い」かどうかは
鳩にでも訊いてくれ
黙秘を決め込んだら
おおよそ クロ

3.
一羽
また一羽

4.
畜舎はキマイラ
類は溶接されてゆく

5.
夕日の集落
呻き声
崩れ落ちて

6.
封鎖は間に合わない
無秩序に溺れる暇(いとま)も

7.


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