バク/かなりや
ぼくはバクに
夢をたべられてしまったよ
ぼくの
枕元にいたバクは
めやにばかりの目に
うっすら涙をためながら
こういったんだ
いただきます
ひっそりと
いただきますといわれてしまって
もう
いただかれるしかなかったよ
めしあがりながらバクは
いただきます
いただきます
と
さっきよりも涙を多くして
ぽろぽろびゃーびゃーこぼしながら
何度もいっていた
ぼくはバクに
ゆめをたべられてしまった
けど
バクにはバクの
事情があるのだなあと
ぼんやりかんじた
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