夏の葬列/
大覚アキラ
のに
月曜日の砂浜にはウィンドサーフィンの若者の姿もない
おれは台風で剥がされた 海の家のトタン屋根の破片を指先でつまみあげて
波打ち際に小さな穴を掘って そいつを埋めてやった
たぶん今ごろ どこかの海辺でも 誰かが
おれと同じように あるいは違うやり方で 夏を葬っているのだ
そうやって毎年のように 繰り返しくりかえし 夏は看取られて逝くのだ
乾いた風に混ざって 口笛が聴こえたような 気がした
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