オーバーフロウ/
 
表面張力で水面が曲線を描く
もう一滴で壊れてしまう
僕のいちばん満たされた形は
いつも終わりと背中をあわせで

たとえば真っ暗な浴室であるとか
たとえば真っ赤な欲情であるとか
唐突にはじまり唐突におわる恍惚

もう一滴も余分はない
君さえうけとめられずにこぼれてゆく僕は
いつだって元になんか戻らない
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