アポロチョコ、青い月、雫する朝、筒の声。/秋
水面に世界が浮かぶことなんて関係なくて、膝折り曲げて、
折り曲げた膝小僧には白色の絆創膏の跡がついてる
不眠症患う空気を抱きしめる地面に落ちた飴玉の波
その辺の床に落ちてる飴玉の包み紙さえ剥がせない、朝
喉元をむき出しにして歩くんだ 液体に似た青い月見て
あの歌の言葉信じてくるぶしに水たまりの液、撥ね散らかして
襟元を濡らす雫は栄養度パーセンテージで二百を超えた
栄養のよくないものがいとしくて君のからだの液体が欲しい
「柔らかな体はたぶんゆるやかな温度を保つ器なんだよ。」
君のその鎖骨で泳いでいる魚 水音がいま、心音になる
「人間は、滴る機械なんだ」って、指でアポロを割る僕の声
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