ランボー讚歌/狸亭
一八五四年十月二十日
北仏アルデンヌ県シャルルヴィルに生まれ
南仏ブウシュデュローヌ県マルセーユに倒れ
空遠く消え去ったのは一八九一年十一月十日
一九九一年 ランボー没後一〇〇年
酔いどれ船に乗ったのは十六歳の秋だった
あれから三十七年が過ぎ去った
十六歳から二十五歳までの「わがランボー」再燃
重い雨雲の垂れこめた空を破り
襲いかかる黄金の林檎の群れは
ぼんやりした靄の中に漂うニヤケタ幸福を吹き飛ばす
五十三歳のぼくの生命を再び揺さぶり
海とまじわる太陽や 地獄の叫びは
二十一世紀を目前に疲れた心臓を叱り飛ばす。
(押韻定型詩の試み 20)
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