なずさふ、なつことのは/e R i
なずさふなつことのはさらさらと
なづさふなつことのはさらさらと
流れることのは 指をすりぬけてゆく
つま先から伝わる水温
ひんやりと冷たい感触
ひきさかれてゆく
目を背けて すくいとる
それでも 万有引力には勝てず 落下
したたり落ちた雫 君の掌に
いくえにも重なった雨音 蝉時雨をしのばせて
ゆうだちのにおい 握りしめたビー玉の記憶
いなびかり ぴかりと光っては消える忘却の繰り返し
共鳴するざわめき 広がる波紋
それでも すべてをとめられず 落下
霧もやにヘッドライトの光 乱反射
3メートル先も見えず 腕を突き刺す
ことのは達で創り上げた幻想の世界
こ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)