なずさふ、なつことのは/e R i
 
なずさふなつことのはさらさらと
なづさふなつことのはさらさらと

流れることのは 指をすりぬけてゆく
つま先から伝わる水温
ひんやりと冷たい感触
ひきさかれてゆく
目を背けて すくいとる
それでも 万有引力には勝てず 落下

したたり落ちた雫 君の掌に
いくえにも重なった雨音 蝉時雨をしのばせて
ゆうだちのにおい 握りしめたビー玉の記憶
いなびかり ぴかりと光っては消える忘却の繰り返し
共鳴するざわめき 広がる波紋
それでも すべてをとめられず 落下

霧もやにヘッドライトの光 乱反射
3メートル先も見えず 腕を突き刺す
ことのは達で創り上げた幻想の世界

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