折鶴/KoーTa
昨日折り紙で折った鶴が
何の恩返しもしないで風に吹かれていった
遠く、青い空のその向う
ぴゅうっと儚い音をあたしの耳に残して消えてった
そういえば
あたしはふっと思う
あたしはあの鶴に、命を吹き込んであげたかしら?
遠く、青い空のその向こう
赤い鶴が一羽
翼をめいいっぱい広げて空を舞う
そういえば
あたしはふっと思う
あたしはあの鶴に、目を与えてあげたかしら?
遠く、青い空のその向こう
命も与えられず
美しい景色を見ることの出来ない
赤い鶴
あたしの前から姿を消した
そういえば
あたしはふっと思う
あの鶴は、あたしから心を持って
逃げてった
戻る 編 削 Point(3)