折鶴/KoーTa
 


昨日折り紙で折った鶴が
何の恩返しもしないで風に吹かれていった

遠く、青い空のその向う
ぴゅうっと儚い音をあたしの耳に残して消えてった

  そういえば

あたしはふっと思う
あたしはあの鶴に、命を吹き込んであげたかしら?

遠く、青い空のその向こう
赤い鶴が一羽
翼をめいいっぱい広げて空を舞う

  そういえば

あたしはふっと思う
あたしはあの鶴に、目を与えてあげたかしら?

遠く、青い空のその向こう
命も与えられず
美しい景色を見ることの出来ない
赤い鶴
あたしの前から姿を消した

  そういえば

あたしはふっと思う
あの鶴は、あたしから心を持って

逃げてった





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